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Sketch Note

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七回忌

実家の父が亡くなってもう6年。
本日は命日につき七回忌の法事です。

早いですねえ。
実家に行ってももういないことは慣れてきたんですが
何かにつけふと、父の存在を思い出します。

私は小学校に上がる前くらいから両親と別居していました。

金沢市末町の犀川温泉にある
「滝の荘」という川魚山菜料理旅館を
父方の祖父母が営んでいて
父は当時近江町市場の「新力」という魚屋さんに勤めていましたが
祖父が倒れたのを機に、その店を継ぎ二代目になりました。

当時どう言う状況だったかもわかりませんが
私と生まれて間もない妹は
尾張町にある母方の祖父母にあずけられそこで育ててもらいました。

父母に会えるのは学校が休みの日曜日か、参観日や行事の時
あとは長期休暇の時だけで
会えてももちろん休日なので父母は忙しく仕事でした。
優しい祖父母に育てられ何不自由はありませんでしたし、
父も母も電話でしょっちゅう話してましたし、
会える時は全身全霊で可愛がってくれてましたから
(そして怒られる時も全身全霊で容赦なかったですが)
じゅうぶんに満たされ、
まったくさびしいとか、恋しいとか、思ってなかったような気がします。

4つ違いの妹とも仲がよく、
なんじゃかんじゃといっしょにいましたし
たまに家にお母さんがいて迎えてくれる友人のところに行って
ちょっとだけうらやましいと思いましたが、
育ててくれた祖母は優しい人で、ずっと家にいる主婦だったので
いつでも「お帰り」と迎えてもらえたので
別にそれも大した思いにはなりませんでした。

私にとっての父は本当に優しくておもしろくて
会って話すのが大好きだったので
休みともなればしょっちゅう、配達やパチンコ屋さんや
競馬場や……^^;;;
姉妹でついて回ってました。

私が現在の仕事をするきっかけになった専門学校進学も
当時全然両親にお金がなく、進学自体無理だったのに
私があきらめきれずに受験して合格し
でも入学金や授業料が払えないので、無理だと思っていた時
父が某隣県のボートレースで大穴当てて札束もって帰り、
「◯◯、デザイン学校行かせてやれるぞ」と行って私の前に
輪ゴムでとめた万冊の札束を投げてみせたのは今でも語り草です。

ボートレースがなければ今頃何になっていたんでしょう、私は。
隣県に足向けて眠れませんね^^;;;;

ギャンブル好きと勝負運は妹が受け継いで、大した腕前です。
私の方にも少しは回して欲しかったなあ^^;;;
まったくダメなんですよね、私。

私は父を嫌いになったことがありません。
そういう破天荒で楽しい人だったのもありますが
なんせ子どもが大好きで、私と妹にはあまあまで
めちゃめちゃ可愛がってもらったんで恨みようが無かったというか。

母とはさすがに年頃になってしばらくそういう時期がありましたが^^;;;
それでも、母もかわいい人なので大好きでした。

父と母はとても仲が良く、私たち姉妹には飽きれるほどで
理想の夫婦でした。
いまだにでれでれと、あの時のおとーさんはああだった、こうだったと
のろけ倒してくれます。

七回忌。
そのラブラブだった母にとっては長かったんでしょうか。
つい先だって父にくれぐれもよろしくと頼まれていた大婆も亡くなり
本当にさびしそうでした。
七回忌では父の思い出をいろんな親戚がわいわい話してるのを聞いて、
「ほうやほうや!」と嬉しそうに加わっていました。

現在は店も妹夫婦が継ぎ、妹の夫が三代目になっています。
養子になってくれたので私にとっては年齢的に義兄にあたりますが
ホントに良く頑張ってくれてます。感謝してます。

本来長女の私が継がなきゃだったのですが
そこは不肖の姉。
好き勝手なことして家を出ていますから頭が上がりません。
妹は
「ねーちゃんが継がんで良かったよ。
ねーちゃんの性格やと女将は無理やわ。
これも適材適所やよ」
といまだに言ってくれますが

彼女にも本当は他の夢があったのかもしれないとも思いますので、
彼女にも感謝をしています。
店も母と妹夫婦で頑張って続けています。

父も一番心配してたのは不肖の姉の私らしく、
亡くなった時に一人一人に手紙を書いてくれていたのですが
妹のは「お母さんを頼む、店を頼む」とか
非常に頼りにしてる的文面でしたが
私のだけはほとんどがまわりの人や、当時の夫に
「この子はこんな子やけど一生懸命やっとるから
どうかよろしく、よろしくお願いします」
という伝言。私にあてはほんの数行。「一生懸命頑張りなさい」。
いったい何歳の子どもを残してるつもりなんだ?という手紙で
まわりから大笑いされましたもの。


さて、七回忌。

いまだに天国で心配してるんでしょうか。
まだまだ大丈夫だよと言えない娘にハラハラしてるんでしょうか。

ゴメンね、お父さん。
とりあえず、毎日、一生懸命だけはやってます。
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by joribox | 2010-05-29 07:25 | Talk | Comments(0)