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Sketch Note

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祈り

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5月7日朝日新聞掲載の篠井英介さんのコラムの挿絵です。

今回はやはり
東日本大震災のこと。
篠井さんは関東に活動拠点を置いている分、
私たち北陸人より近い痛みなんだなあと思いました。



前回の羽根の禿の回はちょうど震災のあった翌日で
全面その悲惨な写真が掲載され
掲載誌が送られてきた時も暗澹たる気持ちになりました。

たぶん次回は震災の話になるかもしれないなあと、実は少し考えていました。
でもどうやっても表す図柄が思い浮かびません。

現状を映した絵は違うと思うし
泣き崩れる絵にはしたくありませんでした。
元気でがんばっていこう!という絵は
正直…被災者のことを思うと私には描けません。

現在も余震がある中で
なおかつ人の手におえないエネルギーの暴走を押さえることも出来ず
政府や東電の発表も
正直怒りを覚えてしまう状況下で
どうがんばれというのか。
根っこになるふるさとが立ち入りも出来ない、
下手すればもっと広範囲にそうなるかもしれない状況下で
どうして
「がんばって復興してください、日本人は強いんです!」
…なんて言えるのか。

震災だけなら…それも通じたんでしょうけど…

いっそ
「逃げてください、このふるさとはもう助からないから、
しばらく休んでそれから
他の地を用意しましたのでそこで復興しましょう」

と言った方が
よっぽどもう一度立ち上がる気になるんじゃないのかと思ったりもします。

無責任なことは言えない、はげますことも出来ない。

篠井さんの原稿をいただいて読んだ時も
「うつろに過ごしている」
「茫然としている」
という表現があり、
どうしたらいいのか、どうするべきなのかもわからない、
疑問形で終わっていました。

…私も同じです。答えが見つからないのです。





なのでさんざん考えた末
「祈り」を表現することにしました。

この先が本当に見えない状況の中
被災地を
私たちの国を
そして私たちの星を

力強くではなく
ほんとうに壊れ物のようにそっと抱きしめて
どうか、どうか…と祈るしかできない今の状況を

情けないなあと思いつつ



本当に

どうか…と祈ってしまうのです。
Commented by ネコバスに乗ったジジ at 2011-05-15 23:16 x
とてもとても胸に沁みる絵だと思いました。
しばらく見入ってしまいました。
Commented by JORI at 2011-05-17 07:18 x
ジジさんありがとう。あんまり暗めなことや悲観的なことは言いたくないし書きたくはないのですが。
ほんとに……どうか…と毎日思ってしまいます…
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by joribox | 2011-05-15 08:32 | Work | Comments(2)