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Sketch Note

jorisketch.exblog.jp

覚え書き「桃」

友人に聞いた話。

奥さんの実家からすごく立派な桃が送られてきました。
毎年恒例で送られてくる桃はとても大きく甘く
果物をあまり食べない旦那さんが唯一好んで食べる果物だと聞いて
実家が毎年近所の桃園の大ぶりの最高級のやつを
食べごろのを朝もいで夕方届く便で送ってくれてるのでした。

ところが残念ながら
旦那さんは数日前から出張中であと3日は帰ってきません。

子供たちが食べたがるので
美味しい食べごろでもあることだし
もったいないから
お父さんに内緒で先に食べてしまいましょうと食べることにしました。

翌日実家のお母さんから電話があって
今年の桃は甘さが去年よりも増しておいしかったでしょう、
旦那さんは喜んだかい?と聞かれ
「あの人は出張であさってまで帰ってこない
だから子供たちと私とで食べました。すごく美味しかったわ」
というとお母さんがびっくりして言いました。

「あと3日くらい冷蔵庫に入れておけば何ともないのに、
なぜ旦那さんと一緒に食べないの?
あの人は果物があまり好きじゃないけど
桃だけは大好きなんだと聞いてるから
毎年あの人に食べてもらいたくて送ってるんだよ」

奥さんは
「だってあんなに美味しそうだし、子供たちが食べたいって我慢できないのよ
でもごめんなさい。お母さんの気持ちはありがたいわ。
桃は私がまたいいのを買っておくわ」
というと

「そういうことを言ってるんじゃない、
もしかしてあんた、子供を優先してるんじゃないのかい?」

と言われてとうとうとお説教されたそうです。

一番いいものをまず旦那さんにあげなさい。
そしてそれを子供たちの前で
「これは一等いいものだから、お父さんにあげましょうね」と宣言しなさい。
何か頂き物があったら
まずお父さんに見せてから、と子供たちが食べたがっても食べささない。
子供たちにそれをあげるのはお父さんからにしなさい。
けして主導権が子供にわたらないように
そして家庭内でのお父さんの地位を決定づけるのは
あなたの逐一の行動なんだと自覚しなさい。

…………
奥さんは今時何を言ってるんだと反論して
たかが桃でウチの家庭のことをそんな古い慣習で縛るなと
憤慨したそうですが

この話を聞いた友人がポツッと言いました。

そういえばウチで一番風呂は
いつもお父さんだったんだよね。
飲みに行って帰りが9時回る時はお母さんが
今日は特別、と必ず言って私たちが先にお風呂入る時があったけど
いつもはお父さんが入るまで入らせてもらえなかった。
お刺身もお肉も大きいのや高いものはいつもお父さんだったんだ。
お父さんは怖い人でも威張ってる人でもなくて
優しい人だったんだけど
お母さんがいつもそうしてるから
ウチで一番えらいのはお父さんだって思ってた。
だからかなあ、友達でお父さんのこと
汚いとかうざいとかくそじじいとか言ってるの聞いてびっくりしたんだ。
ずっとお父さんが世の中で一番の人だったんだよ、私の中では。
でもそれって、お母さんがそう思わせてくれてたのかもしれないなあ…





海外映画を見てて時々思うことは
あそこまでパパやママの地位が子供にとって高いことって
今の日本のお父さんにあり得るんだろうか?ということです。

一昔前の家庭のお父さんは一家の長で怖い存在でした。
今の世の中イクメンと呼ばれる
若い子育てにとても協力的なお父さんが多いので
もっともっと家庭はフレンドリーでいいのかもしれませんが
確かに何かの時の一家の長はお父さんなんだと
子供たちに教えていくのは
お母さんがそうしていないと難しいのかもしれませんねえ…

…と、自身の結婚生活もちょこっと顧みつつ、
反省もするのでした…




結局のところ例の旦那さんが
おいしい桃にありつけたのかどうかまではわかりません。
Commented by さふらん at 2011-08-27 21:52 x
私も似たようなことで母に叱られたことがあります。いや、私の場合はもっとひどい。実家からもらったおいしいものを夫に内緒で私が全部食べてしまったのです。まだ子供がいない頃だったのだけど、母にたっぷり叱られました。
きっとお母様にしてみれば娘婿を思っての気持ちを娘が踏みにじったようにも
思えてしまったことでしょう。
ついつい実家の母は実の子である私だけを大事に思ってくれている、
孫が喜べばそれでいいとおもってくれているように錯覚してしまうことがあります。
母には母の感情があるし、そして親として、一家の長を大事にするということを
教えてきたはずなのに、というのもあったんだと思います。

一応パパ優先、にしているつもりですが、私も気をつけよう!と思いました。
Commented by camide at 2011-08-27 22:59 x
僕はセガレたちとはフランクではあるけれどトモダチとしては接していないと思っています。まあ、カミさんからすれば、セガレが3人いるように思うらしいですが。たしかにセガレたちとは同じ漫画を読んで、いっしょに「羊のショーン」も見ておりますが、それでも根拠のない最低の「威厳ライン」みたいなものはひいているかな。たぶん逆にそれがないとヤツらも安心できないだろうと勝手に思っておりますので。
Commented by 悠湖 at 2011-08-28 02:55 x
なんで父親が一番偉いのかなぁ?
私は偉そうな父親が嫌いだったので、そんな家族は嫌だなぁ。
父親に限らず、親に感謝する子供のしつけを心がければいいんぢゃないの~?
Commented by JORI at 2011-08-28 06:12 x
さふらんさん
さふらんママならその辺は厳しいでしょうね〜〜〜
これを聞いて思ったのは、家人を高めるもおとしめるも、特に子供たちの意識に働きかける点においては密接度の高い母親の態度ってのはかなり影響があるだろうなあということです。
影でお父さんを馬鹿にしてるお母さんを見てたら子供たちもお父さんを馬鹿にするってのはよくある話のように思いました。
だからちょっと我が身を振り返り、反省した次第で。
家庭内で尊敬できるかできないかって言うのはけっこう重要じゃないかと思うので、仲良きことにも礼儀有りみたいな…ま、もちろん、マジに尊敬できないよーな父親だったらそれもどうかと思いますけどね^^;;;
Commented by JORI at 2011-08-28 06:15 x
camideさん
私もそれは思います。子供たちにもそう接してるつもりなんですが、最近はちょっとへたれてるので反省ですね…
camideさんは子供たちの前にわかりやすくいらっしゃるのでどれだけお父さんはすごいってわかってらっしゃると思うんですが、普通のサラリーマンのお父さん方は良くも悪くも社会の中の姿を子供たちに見せることが難しいと思います。そうなるとやはりパートナーのフォローは大事かもですね。
Commented by JORI at 2011-08-28 06:25 x
悠湖さん
お説ごもっとも。親に感謝する子供になってくれるのが一番だと思います。もちろん、ろくでもない親なら別ですが。
ごく一般的に父親が外に働きに出てて家に母親がいる場合は父親の存在感が薄くなることが多いため、子供との関わりを持たせるのにも父親自身の努力と母親のフォローが無いと難しいんじゃないかなと思うんですよ。
仕事が忙しくてなかなか家庭パパになれない人も多いですから。そうなるとどうしても母子中心になるんだけど、そこで父親の存在が希薄にならないようにするためには、母親のフォローも大事だってことなんじゃないかと。
最近はそうでもないのかもしれませんけどね。
その場にいない人をおとしめるも高めるも、心持ち一つってことかなあと。
母親が父親をないがしろにしてるのに子供たちに父親になつけってのも無理な話じゃないのかなあと思うんですよ。
もちろん逆も有りです。父親が母親を馬鹿にしてたら、母親を馬鹿にする子供もいることでしょうし。
子供が小さい時は特に注意がいることだと思いますよ。当人の努力ももちろん必須ですが。
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by joribox | 2011-08-27 09:28 | Talk | Comments(6)