きのうまでの冷え込みが嘘のように青空が広がりました。
最高の卒業式日和。
「手放しでは喜べないね」
昨日からの東北地震からの災害状況を
時間を追ってずっと見ていたから
子供たちとそういう会話をした朝でした。
待ちに待った卒業式。
もう息子はずっと遠足前の小学生状態で
次に行く学校のことばっかり考えてるから、
卒業式のプリントも出すのを忘れていて
私はほんの数日前に卒業式の日程と時間を知ったというしまつ。
まあ、おおよそこの日だというのは
役員会で聞いていたからいいんですけど〜〜〜
今日で中学の制服を着るのも最後になります。
会場で受付をしたら、プログラムと一緒に封筒を渡されました。
両親にあてた手紙だそうで、私のはもちろん私だけ宛でしたが。
控え室にいるときにどれどれ…と読むと
便せん半分にも満たない手紙には
「俺の行きたい学校へお金がかかるからと反対しないで
行きたいところに行きなさいと言ってくれてありがとう」
「なるべく家に負担かけないようにするから」
「早く家を助けてあげられるようになります」とか
あんたの心配は家計のことばっかかよ?と思うような内容で
苦笑してしまいました。
よくある「お母さん。育ててくれてありがとう」みたいな
感動の文面を期待してた私は見事空ぶった気分。
でもそれがすごく、ひねくれた性格の彼らしくて
苦笑しながら泣きそうになりました。
まだ式は始まってもいないんだぞ、と必死に我慢しましたよ。
小さな中学校なので3年生は全員で40名程度。
式典はホントにあっという間に終わりました。
名前を呼ばれて返事をした声で
今は似ても似つかぬ小学生時代のかわいい声の返事を思い出すわ
卒業証書を受け取りに壇上に上った姿を見たり
証書を受け取って戻ってくる顔だったり
なんか泣けてきちゃって既に私はズビズビ。
女子生徒が泣き出す声にまたもらい泣きしたり。
式典が終わり、玄関前に出て卒業生を迎えて
恒例の写真撮り大会になって
私もいろいろ撮っていましたけど
息子に「一緒に撮ってよ」というと
「えー…いいけど」とものすごい嫌そう。
ちょうどそのとき近くにいた息子の友人が
お母さんに同じく「一緒に撮って」と言われて
「え、俺絶対嫌やし」と逃げようとするのを見て
息子が
「お前バカやなー
一緒に写真撮るのは親孝行やぞ。」
と、うちとお互い写真の撮りっこするのに説得してました。
なんかそれがすごく嬉しくて
写真嫌いでひねくれ者の息子が、いやいやだけどおかーさんのためやし、と
一緒に写ってくれようと考えてくれてるのが嬉しくて
撮ってもらった写真は
息子はなんか不機嫌そうだけど
私はものすごいにやついてる写真になりました。
宝物になりました。(恥ずかしいんでのせませんが)
仲間たちとの写真も撮って
帰りは彼が毎日通った通学路の遊歩道を一緒に歩きました。
この道のここがこうなんだよ、とか
この眺めを毎日見てた、見飽きたなあ、とか
この融雪装置は飛びすぎてここで必ず制服濡れるんだ、とか
取り留めない話をしながら私の歩調に合わせて
ゆっくり歩いて行きました。
中学に上がったばかりの頃は私より小さかった彼の身長は
見事に180センチ越えるまで大きくなって
もうすぐおとーさんの身長にも近づいてきつつあります。
そして彼は次のステップに上がります。
自分で学びたいと決めた学校に。
「いい天気だねえ」
「良かったあったかくなって」
とのんびり会話した後
「東北の方も早くあったかくなるといいね」
とぽつんと言った息子がとても優しく感じました。
今この言葉を言うのはとても苦しいけど
やっぱり今日は言わせてください。
卒業おめでとう、息子よ。
君の行く道に幸あれ。