携帯に表示された名前を見ただけで
比喩ではなく本当に手が震えました。
出ないわけにもいかないので
深呼吸一発、苦手なクライアントさんだと思って
ビジネスライクに出ればいい、と、本当に口に出して(笑)言ってから出ます。
話的には
あれはきちんと業者さんに見積もってもらった内容なので
全く正当なものであると。
なので全く引くわけにはいかない。
そして
期日までに一括で払ってもらう。
1日たりとも遅れてはダメ
遅れた場合は延滞金を払ってもらう。
分割は認めない。
もし払えないというなら
即、保証人(妹の旦那)に請求します。
とのことでした。
妹の旦那にまで迷惑をかけるわけにはいかない。
これを言われた時点で全部諦めました。
電話を切っても手が震え、
泣けてきました。
怖かった。あの人と話すのは本当に嫌だった。
しっかりしなきゃ、ちゃんと交渉しなきゃって思ってたのに
「ですよね…」しか言ってなかった気がする…
そして正直、不動産屋さんを恨みました。
私が直接話すのが怖いから交渉してくれとお願いしたのは間違ってたのか?
こうなるだろうって自分でわかってたからお願いしたのに…
何もしてくれないんだったら管理業者の意味ってあるの?
これはもうこの不動産屋さんは何の力にもなってくれない、と見限った瞬間でした。
今後は怖いけど
私が自分で何とかしなきゃ…
こんな姿を
誰にも見られるわけにはいかない
そう思って努めて明るくしながらも
諦めるしかないのかなといろんな人に明細を見せました。
何かしらツッコミどころがないかなと思ってのことでした。
いろんなありがたいことを言ってくれる人もいっぱいいました。
一緒に怒ってくれる人もいました。
現実的な意見をくれる人も。
本当にありがたかった。
泣きそうになるのを毎回こらえるのに必死でした。
それで得た結論は
古い家を借りたとはいえ一軒家
そしてけして綺麗に使っていたわけじゃない現状
今でこそ経年劣化やいろんなことで
こんな馬鹿げた金額(という人が多かった)を
払う必要はないという常識に変わりつつあるけれど
昔のごうつく大家ならよくあったこと。
その大家さんはそのごうつくな時代のままであるということ
たぶんせいぜい削れて10万程度
その10万を削るのに、そういう大家さん相手だったら
かなり長い時間がかかる争いになる。
それでも納得いかないお金は払いたくないというなら
とことん弁護士でも立てて争えばいいが
それくらいならもうかなり痛い勉強代だと思って
諦めてこんな縁をすっぱり切ったほうがいいかもしれないということ。
…はい、私は逃げるほうを選びました。
この先ずっとあの大家さんに関わらなきゃいけないと思うと
胸が潰れそうでした。
もういいから縁を切りたい…
そうして私は彼にお金を借りて払うことにしました。
子どもたちにも話しました。
絶対迷惑はかけたくないと思ってましたが
「もともと評判の悪い大家さんやって言ってたやない。
そういうこともあるかもしれんって。
大丈夫や、3分割して3人で払おう。
それでもう、あの家とは縁を切ろう」
本当に情けない。
これでも母親か。
でも子どもたちの好意に甘えました。
お金を払って終わりにすることにしました。
ところがまだ終わらなかったのです。